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第10話 涙のむこう

兄さん、今度僕にも居合い教えてよ!
ハンゾウはもっと二刀流を使いこなせるようにならなきゃ
じゃあ、僕が二刀流を使いこなせるようになったら教えてくれる?
ああ、もちろんだ…

いててて、ちっくしょう!また負けた!
ははは、ハンゾウ、お前の太刀スジは本当にわかりやすいな、性格そのまんまだ
どういうこと?馬鹿だってこと?
違う、素直だってことだ。

兄さん!
なんだ、ハンゾウ
兄さん!兄さん………

わかっていたんだ…
訳があることくらい…
ただ、悔しかったんだ…
自分以外の人に兄さんをとられたことが…
ハンゾウの攻撃はすでに勢いを失っていた。
今はもう、とめどなく流れる涙を抑えることができずに、
ただただ惰性のように打刀を振るっていた。
「兄さん…」
ハンゾウは最後の力を振り絞り、2本の打刀をウコンの肩に打ちつけた。
ウコンはもう避けようとはしない。
「もう腕があがらないよ」
手にしていた打刀は軽い音を立てて足下に落ちた。
「やっぱり…か、勝てないよ……ちくしょう」
ハンゾウはもう上がらなくなった両腕をダランと下げたまま両膝を地面に落とした。
ハンゾウもとっくにロココとロンが解放されていることには気付いていたのだ。
怒りに身を任せ、一心不乱に腕を振り続けた…気がつけば頭にうかぶのは過去の兄との思い出ばかりになっていた…
「もう気が済んだでござるか…」
「ああ、一気にやってくれ…」ハンゾウは目を閉じる。
「違う!ハンゾウ!目を開くでござる!」
観念して頭を垂れていたハンゾウは驚いてウコンを見上げた。
「見るのだ、今のお前なら拙者の太刀スジが見えるはずでござる」
ハンゾウの目から再び涙が溢れ出した。
やっぱり兄さんは自分を見放したわけではなかった…
ちゃんと自分の成長を見守っていてくれた…
「すまなかった、ハンゾウ、しかし拙者には他に道がなかった…」
ウコンはそういうと打刀の柄を握った。
「ゆくぞ…」
ハンゾウは涙で濡れる瞳をこれでもかと見開いた。


ロココとロンは瞬きもせずに一部始終を見ていた。
まるで音のないストップモーションを見ているみたいだった…
一瞬、キラリとウコンの手元が光ったようにみえた。
次の瞬間にはハンゾウの体が宙を舞っていた。涙がキラキラと尾を引きながら。
「ハンゾウ!!!!!」
ロココとロンが駆け寄る。
「ハンゾウ!しっかりしろ!」
ハンゾウは深刻なダメージを負っていた。
「オイ!ハンゾウ!くそ!」ロココがウコンを鬼の形相で睨み立ち上がる。
その時、今にも駆け出さんとしていたロココの足をハンゾウがつかんだ。
「い、いいんだ、ロ、ロココ…」
「いいったってお前!…」
「いいんだ…見えたんだ…」
「見えたって…何が…?」
「兄さんの…太刀スジさ……」
ハンゾウはそう言うとニコリと笑って意識を失った。


「ハンゾウ!ハンゾウ!おい!」
ハンゾウの両肩をつかんでロンが叫んでいた。
「ホントに男の人ってのは不器用よね」ふいに女の声がした。
「???クララ!?」「なんでここに?」
ハンゾウの頭の先にクララが立っている。
ロココもロンも訳がわからない。
「この前、ウコンさんが帰り際にあたしに言ったのよ、“こっそりと後をつけて来てほしい”って」
ロココとロンは顔を見合わせ、2人同時にウコンを見た。
「さあ、ハンゾウのことはあたしに任せて、あんた達には大事な話があるんでしょ」
ロココはハっとした、そうだ、まだトノの話は終わってない…
「ハンゾウを頼む」
ロココとロンはクララにそう言うとトノとサコンのもとに向かった。


トノはハンゾウとウコンは大丈夫だと言っていた。
「ウコンは言っとった、
 ハンゾウはスピットファイアの中にいて常に冷静な自分の立場を持っている。
 おそらく、極端な感情に左右されることを、無意識に抑えているはずだ、
 今の自分なら、ハンゾウの抑えていた感情の蓋を開けることができるはず、
 そうすれば、長らく抑えていたハンゾウ本来の力も解放できるはずだ、
 とな」
トノはそういったのだ。
それがこういう結末になるとはロココ達にはまったく予想が出来なかった。
トノにはここまで見えていたのだろうか…
話はここで中断したままだった。
「これで話は終わりじゃないだろ、俺とロンを呼んだ理由もあるはずだ」
ロココがトノに詰め寄る。
トノとサコンは顔を見合わせると、今度はサコンが口を開いた。
「少し長い話になるぞ」
「かまわない」
サコンは大きく息を吸うと、チラリとロンを見た後に、意を決したように話し始めた…

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テーマ : マンガ ジャンル : アニメ・コミック

コメント

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No title

兄弟って良いですねぇ…羨ましいです^^

お話は次回から過去編突入なのでしょうか?((o(б_б;)o))ドキドキ
読むのが遅くて申し訳ありませんが、また伺わせて頂きます<(_ _)>

Re: rum_bulionさん

ゆっくり読んでください。
絵のない話を読んでもらえるだけでしあわせです。
そーです、次は過去の話がメインでーす。
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第2章
プロローグ
第1話 ヒーロー
第2話 反乱の旗印
第3話 教官
第4話 はじまり
第5話 引き金
第6話 ロミオ
第7話 野性
第8話 突入
第9話 運命
第10話 コンビネーション
第11話 水魔
第12話 足止め
第13話 助っ人
第14話 閃光
第15話 三眼の男
第16話 極炎の宴
第17話 裏切り
第18話 覚悟
第19話 ロン
第20話 仇
第21話 真実の扉
第22話 弟

第1章
プロローグ
第1話 きっかけ
第2話 出会い
第3話 デュエル
第4話 誤算
第5話 決着
第6話 余韻
第7話 密会
第8話 油断は禁物
第9話 兄弟
第10話 涙のむこう
第11話 トリデ
第12話 チカラ
第13話 休息
第14話 決戦の時
第15話 逆転
第16話 軌道
第17話 必殺技
第18話 狂気
第19話 光
第20話 喜びの中
エピローグ

登場人物相関図

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