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第11話 トリデ

サコンとトノ、そしてウコンは同じ日に出会った。
今から3年前、丁度ウコンがハンゾウの前から姿を消した時。
ウコンはとくに用もなく町をフラフラしていた。
ふと気がつくと自分の前をトノが歩いている。
同じエボリューターである者のことはたいがい知っているが、トノのことは顔と名前くらいしか知らなかった。
小さいな、ユニと同じくらいか…
たまたま行き先が同じなのだろうか、2人はそのままの間隔でしばらく歩いていた。
大きな交差点にさしかかった時だった。
前を歩いているトノの背筋が急にピーンとのびた。
直後、トノは振り向くとウコンの方に向かって走り出した。
トノはウコンの横を走り抜ける。ウコンはトノを目で追う
その直後、ウコン達のいる歩道に一台の車が飛び込んでくるではないか。
車の先には1人の少年…
トノはその小さい体で少年に飛びつき、歩道から少年をはじき飛ばした。
車は歩道に車体を3分の1程入れたところでなんとか止まった。
丁度少年とトノはウコンからは車で見えなくなっていた。
ウコンは急いでトノ達のもとへ走る。
見れば、少年はほとんど無傷だったが、トノは傷だらけだった。
それでもトノは立ち上がると、
「大丈夫か、坊主」
と、自分より背の高い少年に言うとその場を立ち去ろうとした。
「ちょっ、ちょっと待てよ」ウコンがトノをひきとめる。
「ん、……おまえは…サイゾウか?」
「ああ、そうだけど、今のはいったいなんだ?
 なんで車が飛び込んでくるのがわかったんだ?」
「しょうがないじゃろ、それがワシのスキルなんじゃから」
「スキル…予知能力か!」
噂には聞いていた…自分達と同じ世代に予知能力「フォーチュン」を持つものがいる、と。 得体のしれないそのスキルを持つものが今目の前にいる。しかし…
「いや、ちょっと待て、予知できるならなんであんなにギリギリなんだ。
 もっと余裕で助けられたはずだろ」
トノは傷だらけの体で大きくため息をつくと言った。
「あのな、予知能力っていったって、そんなに都合のいいものじゃないんじゃ」
「どういうことだ?」
「どうせ、おまえアレだろ、見たい未来を知りたいときに見て、なんでもかんでも大成功とか思っとるんじゃろ」
「………違うのか?」
予知能力と聞けば誰もがそういうものをイメージするだろう。
トノはまた大きくため息をつきながら首をふり、
「違う、違う。見たい時には見られない、見たい未来は見られない、
 見た未来は変えられない、それがワシの予知能力じゃ」
ウコンは驚いた、なんという不自由な予知能力!
「じゃあさっきのは…」
「いきなり見えたんじゃ、自分が少年を助ける姿が…」


トノとウコンはそれからしばらく話を続けていた。
「じゃあ見えた未来を無視することはできないのか?」
「やろうとした、が、できなかった、気がついたら見たとおりのことをしていた」
「ふうん」
ウコンは思った、トノは何と不自由なスキルの持ち主なのだろう。
思いもよらずに見えてしまう未来、逆らえない未来。
変えることのできない未来が見えるということはメリットではない。
むしろただ行き先の決まったレールの上を歩くだけの人生…
「自分に都合のいい未来が見えたことはないのか?」
「残念ながらない、一番最初にこの不自由な未来をみてしまっている」
ウコンは黙ってしまった。
しばらくの沈黙…
「トノ、そのことを知っているのは他に?」
「お前だけじゃ」
ウコンはしばらく考え込んでいたが、意を決したように口を開いた。
「いいだろう、トノ、お前の縛られた運命を俺が共に歩いてやろう」
ウコンはこのあまりにも不自由な運命に縛られた男に心を奪われてしまったのだ。
トノは目を丸くしてこう答えた。
「その未来は…知らなかった…」


ロココとロンは黙ってサコンの話を聞いていた。
「まあ、ちなみにそのときトノに助けられた少年が俺だ」
サコンが最後に付け加えた。
「じゃあ、今ここでこうしているのは?」
「これは見た未来ではない、
 しかし、ワシが見たのはオヌシ達がブライトンロックに挑む姿じゃ、
 その先はわからん、じゃがワシはどうもブライトンロックのことが好かん!
 だから、ワシらは自分達のすべきことをすることに決めたんじゃ」
「トリデはどうするんだ?」
「………それはもう決まっておる」
トノはウコンとサコンをチラリを見ると言った。
「ワシらはリタイアする」
「!!!!!」
ロココ達は驚きを隠せなかった。
「そ、それは…」
「見てしまった、もう変えられん…」
「だからこそ拙者達は最後にお前達に力をかそうときめたのでござる」ウコンが言った。
「………!!」
「じゃあ俺がここに呼ばれてるってことは?」ロンがハッとして聞いた。
「うむ、お前にも教えなくてはならないことがある」
サコンがトノと目を合わせて言葉を続ける。
「ロン、お前のスパークは充分に強い、だが、俺にも通用しなかった、
 クズキリの前にも苦戦をしいられた…」
「じゃあ、どうすればいいんだよ…」ロンがゴクリとのどを鳴らした。
「俺がスパークの使い方をおしえてやる」
サコンの言葉には何かを決意した者の重さがあった。
トノは眉間に皺をよせ、静かに目を伏せた。
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テーマ : マンガ ジャンル : アニメ・コミック

コメント

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No title

>「その未来は…知らなかった…」
ちょっとシャレてて、カッコ良かったです^^

しかし、予知出来ても変えられない未来…それが見えるって…確かに不自由と言うか…^^;

P.S. すみません、随分と間が空いてしまいました><
なのにウチにはお越し頂いているようで…申し訳ありません<(_ _)>

Re: rum_bulion さん

いらっしゃいまし!
読んでいただけるだけで光栄です!

> しかし、予知出来ても変えられない未来…それが見えるって…確かに不自由と言うか…^^;

感じ方色々かもしれません、説得力にかけてますか?
アドバイスお願いしたいです(切実)

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第2章
プロローグ
第1話 ヒーロー
第2話 反乱の旗印
第3話 教官
第4話 はじまり
第5話 引き金
第6話 ロミオ
第7話 野性
第8話 突入
第9話 運命
第10話 コンビネーション
第11話 水魔
第12話 足止め
第13話 助っ人
第14話 閃光
第15話 三眼の男
第16話 極炎の宴
第17話 裏切り
第18話 覚悟
第19話 ロン
第20話 仇
第21話 真実の扉
第22話 弟

第1章
プロローグ
第1話 きっかけ
第2話 出会い
第3話 デュエル
第4話 誤算
第5話 決着
第6話 余韻
第7話 密会
第8話 油断は禁物
第9話 兄弟
第10話 涙のむこう
第11話 トリデ
第12話 チカラ
第13話 休息
第14話 決戦の時
第15話 逆転
第16話 軌道
第17話 必殺技
第18話 狂気
第19話 光
第20話 喜びの中
エピローグ

登場人物相関図

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