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第18話 狂気

ロンの攻撃はその場にいる者、全てを唖然とさせていた。
ゲンナイが倒れ、バルスが倒れた。
ハンゾウとロンはほぼ同時に同じことを考えた。
「ナナシは!」
2人がナナシを見た時、それはナナシが力つきるところだった。
「ナナシ!!!!」
ナナシの元に満身創痍で駆けつける2人。
「おい、しっかりしろって!」
「ロン、ハ、ハンゾウ、や、やっぱり、俺、あんま戦いに、向いて…ない」
「何言ってんだ!よく頑張ったぜ!お前!」
ロンがナナシに声をかける。
ハンゾウは姿の見えないナズナむかってに叫ぶ。
「出てこいナズナ!俺達が相手になってやる!!」
ナズナは案外すぐに姿を現した。
その目は恐怖に怯えている。
「い、いや、ちょっと待ってよ、降参するよ、降参、
 デュエルだろ、降参したら終わりだろ!!」
ナズナはすぐさまリタイアを申し出た。
ハンゾウとロンはすでに満足に戦える体ではない、動くことさえもままならない。
しかし、そのあらわになった怒りと、
先ほどのロンの最後の攻撃は、ナズナを恐怖で萎縮させていた。
2人は向かう先の無くなった怒りに震えながらも、
実際、もう戦うチカラが残っていないことも知っていた。
「もういい、ハンゾウ、そんなことよりクララにナナシの治療を」
「わかった、急ごう」
「ロココのほうも気になる」
2人は傷ついた体でナナシを抱えると移動を始めた。
もう誰もが忘れていた存在がいた。
…ゲルト…
ゲルトはハンゾウ達の激戦の最中、静かに姿を消していた。


ハンゾウ達とクララ達は落ち合い、共にロココのもとへ向かっていた。
細い洞窟を抜け、目にしたものは、
壁面にカーンの打ち出した右手によって首を吊る様に打ちつけられ、
もがき苦しむロココの姿だった。
これがカーンのまだ見せていなかったチカラ。
打ち出した体の部位は爆破しなければ再生できない代わりに、
そのまま操ることができる。
「ロココ!!!!」
「み…みんな」
「ほう、お前達が来るとはな、とんだ計算違いだ」
カーンは現れたスピットファイアのメンバーをしばし観察し、
「なるほど、デュエルがまだ終わらないところを見ると、
 残っているのは俺とゲルトってところか…
 しかし、残っている連中はどいつもコイツも虫の息、
 俺一人でも何とかなりそうだ」
デュエルの最中はリタイアした者以外は治療を受けられない。
ハンゾウとロンはもちろん先の戦いのダメージをそのまま引きずっていた。
「ロココ!しっかりしろよ!」
「ロココ!!お願い!負けないで!!」
ロンとクララの声が響く。
「……何か、気に入らねえなあ」
「くっ、な、何だと!」
カーンの言葉にロココが反応する。
ロココはカーンとの戦いの中、ずっと感じていた。
このカーンという男は何かがおかしい。
トノも言っていた、「ブライトンロックのことがどうも好かん」と
戦い方に相手に対する敬意のようなものが一切感じられないのだ。
まるで、虫でも踏みつぶす者のようだ。
「お、お前、ホントにハイポリスになる気があるのかっ!?」
「んん、何だ、まだ結構元気だな」
そう言うとカーンはロココの首もとの右手のチカラを強める。
グググ
「くく、ぐああ」
「ロココ!」
「ちっ!いちいちうるさい連中だ」
そういうとカーンは左手をロン達に向ける。
ロココはあらん限りの声で叫ぶ。
「カーン!何をする気だ!やめろ!!」
その声にカーンはニヤリと笑うと、何のためらいも無く左手の指を発射した。
カーンの攻撃は満足に動けないロンとハンゾウを直撃する。
「何だ!何でだ!カーン!お前の相手は俺だろう!!!」
「何言ってんだ?まだフィールドに戦力として残っている連中を攻撃して何が悪い」
カーンは全く悪びれずにそう言い放った。
「ハンゾウ!ロン!」
クララが2人に駆け寄る。
「待て、クララ、カーンの言う通りだ
 ここで俺達がお前に治療を受けたら、俺達はリタイアしたことになる、
 そしたら今までの苦労が水の泡だ」
「そ、そんな」
「お、俺達はここにいない方がいい」
「あまいな、俺が逃がすと思うか!」
カーンはそう言うと再び左手を2人に向ける。
「やめろおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
ロココの叫びがこだました。
カーンの左手の5本の指は再びロンとハンゾウ目がけて打ち出される。
ロンとハンゾウがこれを受けたらもう
「ハンゾウ!ロンンンン!!!」
ロココの叫びと同時に爆煙が巻き起こる。
しかし、立ち上る煙の中から現れたのは、信じられない光景だった。
ロンとハンゾウをかばって、一身にその攻撃を受けたものがいた。
クララだった。
ロココ達の時間が止まる。
クララはメディコだ、プロテクターを付けていない。
「馬鹿野郎!!何てコトを!!!」ロンが叫ぶ。
「何でこんな無茶を!!!」ハンゾウがクララを抱きかかえる。
「だ…大丈夫よ…あ…あたしなら…
 偶然ココにいただけ…たまたま…事故なの…」
ハンゾウも、ロンも言葉を失った。
クララは考えたのだ、必死で自分に出来ることを。
迷っていたら全てが終わってしまう、選択の余地はなかったのだ。
クララはフラフラと立ち上がると、
「ロココ…負けないで…あなたには…チカラがあるのよ…
 そんな奴に…負けちゃ…だめ…」
クララはトノとロココの話を聞いていたのだ。
そして、クララは再びハンゾウの腕の中に崩れ落ちた。
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テーマ : 創作・オリジナル ジャンル : アニメ・コミック

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第2章
プロローグ
第1話 ヒーロー
第2話 反乱の旗印
第3話 教官
第4話 はじまり
第5話 引き金
第6話 ロミオ
第7話 野性
第8話 突入
第9話 運命
第10話 コンビネーション
第11話 水魔
第12話 足止め
第13話 助っ人
第14話 閃光
第15話 三眼の男
第16話 極炎の宴
第17話 裏切り
第18話 覚悟
第19話 ロン
第20話 仇
第21話 真実の扉
第22話 弟

第1章
プロローグ
第1話 きっかけ
第2話 出会い
第3話 デュエル
第4話 誤算
第5話 決着
第6話 余韻
第7話 密会
第8話 油断は禁物
第9話 兄弟
第10話 涙のむこう
第11話 トリデ
第12話 チカラ
第13話 休息
第14話 決戦の時
第15話 逆転
第16話 軌道
第17話 必殺技
第18話 狂気
第19話 光
第20話 喜びの中
エピローグ

登場人物相関図

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